平成28年の国民健康・栄養調査によれば、日本人女性の食物繊維の摂取量は1日13.9gのようで、これは10年前の14.7gと比較すると少なく、この傾向は年々減少が続いているようです。
そもそも食物繊維をとらなければ、腸内細菌の多様性が失われ、肌荒れやアレルギー、肥満などに影響をおよぼすことになります。
もともと食物線維は「便秘予防にいい」といわれているのですが、実は普段の食事から必要とされる量の食物繊維を摂るのは意外と難しいのです。
食物繊維は、人間の消化酵素では分解することができない食べ物に含まれている成分で、水に溶けないもの(不溶性食物繊維)と水に溶けるもの(水溶性食物繊維)の2つがあります。
不溶性食物繊維の働きは、腸内で水分を吸いながら膨らみ、腸の活動を活発にし、水溶性食物繊維は、腸内で水に溶けてゼリー状となり、粘着物質となって、糖分と消化酵素の接触を防ぎます。
つまり、どちらも欠かすことの出来ないものです。
さて、この食物繊維なのですが、どれくらいの量を食べればいいのかの目安として「レタス○個分の食物繊維」と表現されているのですが、実はレタスにはそれもど食物繊維が多いわけではないということはご存知でしたか?
まず、食物繊維の摂取目標量としては、成人男性が1日20g以上、女性が18g以上と言われています。
そこでレタスに換算してみると、レタス100gあたりの食物繊維は1.1gとなっていて、レタス1玉300gだとすると、男性で6~7玉、女性で6玉程度の量を食べなければならなくなります。
しかも、レタスの食物線維1.1gのうち、水溶性食物繊維が0.1g、不溶性食物繊維が1.0gとなっているので、レタスだけではバランスが圧倒的に悪いことになります。
一体、誰がレタスで換算しようと考えたのでしょうね?
ちなみに、水溶性食物繊維の多い食べ物としては、昆布、わかめ、こんにゃく、果物、里いも、大麦、オーツ麦などがあります。
本来、バランスよく様々な食べ物を食べるのが正しいのに、レタス換算して偏らせてしまう表現の仕方もどうかと思いますよね。