調理師になるための知識

調理師は様々な環境で活躍できますし、いまや「食」への関心はとても高いものだと言えます。

料理の「さしすせそ」

料理の「さしすせそ」とうものがあります。

特に日本料理においては料理の味付けの基本といってもよく、その順番に加えていったほうがいいとも言われています。

また、この調味料の順番である「さしすせそ」には科学的根拠があるのだそうで、甘みと塩みのバランスを取るために使う「砂糖」と「塩」の分子を比べると、塩より分子の大きな砂糖をまず入れて、浸透させてから分子の小さな塩を加えたほうがいいのだそうですよ。

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さ:砂糖

砂糖は、サトウキビ、テンサイ(サトウダイコン)、サトウカエデなどから作られ、含蜜糖と分蜜糖に分類されます。 含蜜糖はサトウキビの絞り汁をそのまま加熱し煮詰め不純物を取り除き固めたもので、分蜜糖は、含蜜糖と同様に不純物を取り除いた後、一度結晶させて遠心分離機にかけたものを原料糖にし、精製して製品にしたものです。

上白糖

日本人好みのソフトな風味となっており、しっとり感を出すため糖液がかけられている。何にでも合い、国内の砂糖消費量の約半分を占める。

ラニュー糖

結晶が上白糖よりやや大きく、サラサラとしたクセのない甘みを持つため、コーヒー、紅茶に最適。 溶けやすい特徴をもっているため世界では最も使われている。

中ざら糖

「ざらめ」とも呼ばれる黄褐色で高純度の大粒の結晶で独特の風味がある。料理に照りとコクを出すので、煮物をはじめ照り焼き、すき焼きなどに最適。

三温糖

上白糖と同じように日本特有の砂糖で、糖液を煮詰めることで茶褐色となっており、特有の風味を持ち甘さも強い。煮物、佃煮などに最適。

和三盆

日本の伝統的製法で作る砂糖。結晶が小さくさらりとした口どけと上品な風味が特徴。 香川県徳島県などの四国東部で伝統的に生産されている砂糖の一種。

白ざら糖

ラニュー糖より粒子の大きい白ざら糖。綿菓子や煮物などに使われます。高級な菓子や飲料に最適。

黒砂糖

さとうきびの搾り汁をそのまま煮詰めたもので、濃厚な甘さと強い風味があり、ミネラルやビタミンを多く含んでいる。

角砂糖

ラニュー糖を固めたもので、コーヒー、紅茶に使用。1個の重量が決まっているので、料理や菓子作りに便利。

氷砂糖

ゆっくり時間をかけて結晶を大きくした氷のように見える砂糖。溶けるのに時間がかかるため果実酒 用に最適。

液糖

溶かす手間が省けるため、ガムシロップ、清涼飲料、ソース、焼き肉のたれなどに使用。

し:塩

味付けはもちろんのこと、食材を保存するためにも使用されます。 岩からとれる岩塩と海からとれる海塩の2つに分類することができ、人類は8000年以上前から、塩を海水から抽出したり、平地から採掘したりしていました。

岩塩

地殻変動で海水が陸に閉じ込められ、長い年月をかけて結晶したもので、肉料理にあうと言われている。

海塩

海水から作られたもので、一切の添加物や加工助剤を加えずに、海水中の塩類を結晶化させた塩。魚料理にあうと言われている。

す:酢

酢には、製造方法の違いから「醸造酢」「合成酢」に分けることができ、穀物酢、米酢、米黒酢、りんご酢など様座な種類の異なる味わいがあります。

醸造

豊かな薫りと、さわやかな酸味の醸造酢は、味付けのバランスを調える万能調味料で、穀類や果実を発酵させて作られている。

合成酢

化学製品である氷酢酸を水で薄めて醸造酢と同じ程度にし、甘味料、食塩、化学調味料などを人工的に加えて作ったもの。

せ:醤油

大豆や小麦などの穀物を原料とし、醸造により発酵させて作られる、日本料理における基本的な調味料の一つ。

そ:味噌

味噌は大きく分けて米味噌、麦味噌、豆味噌、調合味噌の4種類に分類することができ、日本の伝統的な食品の一つ。

原料によって呼ばれ方が異なり、米と大豆で作られるものは米味噌、大麦とハダカ麦と大豆で作られるものは麦味噌、大豆で作られるものは豆味噌と呼ばれている。

赤味噌

熟成期間が1年以上と長めで、色が褐色で、塩分濃度が高い。

白味噌

熟成期間が数ヶ月となっていて、白くて塩分濃度も低い。

合わせ味噌

米味噌、麦味噌、豆味噌などの味噌を混ぜ合わせたもの。 合わせ方にもよるが、概ね各味噌が持っているクセを打ち消し合い、食べやすい味になるのが特徴的。

調理師になるには

調理師になるために重要なことは、まず「食」に対する関心があるということで、厚生労働省の統計調査によると平成27年の調理師の平均年収は、平均年齢43歳で331万円ほどなのだそうです。

目安としては、調理師見習で月収14~19万円程度、一人前になって25万円前後が相場となっているようです。

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さて、その調理師なのですが、調理師免許を取得するためには、2通りの方法があります。

  1. 厚生労働大臣の指定する調理師養成施設に1年以上通い、必要な知識や技能を習得する。
  2. 飲食物を提供する施設や飲食店で、厚生労働省の定める調理の実務経験を2年以上積み、都道府県知事が実施する調理師試験に合格する。

養成施設で調理師の技術などを学び、卒業後、調理師免許を申請すれば、調理師試験を受ける必要はありません。

調理師免許を受ける方法であれば、試験を受けるために調理に関する実務経験を2年以上積まなければなりません。

まぁ、料理人として働くのであれば、必ずしも調理師の免許が必要というわけではありませんが、調理師免許はあるにこしたことはありません。 個人で独立開業であれば問題ないのかもしれませんが、「まずは老舗で調理の勉強をしたい、修行したい」と思ったときに調理師免許を持っていることが応募の条件となっている場合があります。

ちなみにこの調理師免許の試験、合格率は一般的に60%〜65%ぐらいとなっているのですが、ここ近年は年々難しくなりつつあると言われていて、その試験の内容も、食文化論、衛生法規、公衆衛生学、栄養学、食品学、食品衛生学、調理理論の中から出題されることになります。

調理師とは?

人間は食べ物がなければ生きてはいけませんし、おいしい料理を食べるということは至福の一時であるとともに、家族や友達などと食卓を囲みながらの食事は、楽しいものです。

調理師とは、そのような食事シーンおいて、新鮮な食材や栄養に関する知識を有し、専門的な調理方法によって料理を作る人のことで、調理師免許を持っている人のことを指します。

この調理師免許は、調理師法という法律に基づき、国から認められた国家資格となっていて、この調理師のさらに上の資格として、専門調理師、調理技能士というものがあります。

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「調理なんて誰でもできるじゃないか」と思われるかもしれませんが、調理師というのは、ただ調理の技術があるだけではダメで、衛生面や栄養のことなどもしっかりと考えられる幅広い知識が必要となってきます。

さて、その調理師の働く環境なのですが、一般的には、レストランや料亭などの料理店やすしやラーメンなどの専門店、またはファミリーレストランなどが浮かぶかと思いますが、この他にも調理師の輝ける場所はたくさんあります。

ホテルや旅館などの宿泊施設や、学校や会社内の給食施設などもそうですし、福祉施設や病院など、食に関する場所であれば、必ず必要な存在なのです。

また、先の職場は主にお客様に提供するということが前提となっていますが、他にも食品会社での新製品の開発であったり、調理方法を教える料理教室などでも調理師が活躍できる場となっています。

つまり、調理法においては、飲食物を提供する施設ごとに調理師を置くように務めなければなりませんし、国も飲食店には調理師がいたほうがいいと推進しています。

また、調理師免許の優れた店として、飲食店の開業に必要な食品衛生責任者に申請するだけでなることができます。

調理師の資質としては、まず「食」に対しての関心が1番に挙げられ、さらには食材や味付けに関する研究を行う熱心さも必要となります。

必要というには大げさかもしれませんが、何事も研究熱心なほうが、上達が早くなるものです。